吉本ばなな『ハチ公の最後の恋人』

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ハチ公の最後の恋人
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生きることを憎んだりしていたわけではなかったけれど、いつも何となく夢の中みたいにすべての画面が遠くぼやけていた」・・・・・・で始まる、

『ハチ公の最後の恋人』(吉本ばなな)を10年ぶりに読んだ*ので、感想と名言15選を紹介しようと思う。

(*) やれやれ、時が経つのは速いな。正にTime flies like an arrow.だな。

1.『ハチ公の最後の恋人』の感想

『ハチ公の最後の恋人』は全体を通して、おばあちゃんの予言通りに展開して
行くという点で、宿曜師の予言通りになる『源氏物語』を彷彿とさせる。


おばあちゃんの予言通り、忠ちゅう犬ハチ公のあだ名を持つハチと
感受性を失いかけていたヒロインの女の子は出会い、
感受性を取り戻して行く過程が見事に描かれていると思う。


さてここからが面白いポイント!
『ハチ公の最後の恋人』の名言や印象的なセリフを紹介していこう


2.名言15選

1.時の流れが美しい

時間が流れていくのが美しく感じられた。さっきハチが入れたコーヒーがさめていくことすら美しかった。生きているんだ、細胞がひとつひとつ私の心と連動して、私のために生きている。(p43)



2.仲間以外はみな風景

ハチには声をかけるべき人がたくさんいた。知らなかった。私はこういうみんなを通行人だと思っていた。町はセットで、みんな背景だと思っていた。電車の中で押しあう肉塊は気味の悪いクッションにすぎなかった。
自分だけ、それで自分もいない。でも今ははじめてみんなを生きている人間だと思った。(p56)


宮台真司は、昔から日本では「仲間以外はみな風景」と言っているが
電車の中の人を見ると、誰もが安全な自分の殻や膜に閉じこもり、
他者がまるでいないかのように思おうとしているのが分かる。


3.Change the way you look at things and the things you look at change.

月も星も、ハチの世界から見ると違った。今日の月も明日の月も同じだなんて絶対に思えなくなった。それは私の心もように密接に関係した世界なのだ。(p58)


情報空間と物理空間は連結しているということだが・・・
僕の経験上でも、

大切で特別な人が作る、自分らしくいられる空間の中では、
心の状態も物を見る視点も感化されて、別の世界に別の景色に見えることがある。

精神分析学者のウェイン・ダイヤーはこう言っている:
Change the way you look at things and the things you look at change.
(物事の見方を変えなさい、そうすれば君が見ている、物事そのものが変わる。)


例えば、ちょっとしたことで
イライラする人がいる。

最近では「歩きスマホ」なる言葉も作られて、
「歩きスマホ」していた人に怒った発狂者がその人を線路に突き飛ばす
事件も発生したという。

はっきり言って、
そいつらの器は蟻より小さいし、(蟻さんすまん、比較をしてしまって)
こんなんで怒るなんて落語の世界やお笑いの世界の出来事だと思う。

外国人に日本ではスマホをしながら歩いていただけで、殺されそうになった
人がいると言ったら、どういう反応をするだろうか?(器がでかいと思うだろうか?)


「歩きスマホ」なんて、今まであったことだし、旧国鉄の「お上」が注意
しているから、「悪い」と単細胞的に思うようになって、怒るようになる
人が増えただけに過ぎない。


ここで僕が言いたいのは、自分の物の見方によって、
怒る選択肢を選ぶ(感情の選択)こともできるし、
怒らない選択肢も選ぶことができるということ。

だって、歩きスマホに対して今まで何とも思っていなかったのだから。
それなのに自分の善悪の判断基準を持たず、それをお上に任せるているから
お上が「悪い」というレッテルを張った途端に、怒るという反応を示しただけなのだ。


そういうことが分かっていたら、
自分の善悪の基準(ものの見方)を持っていたら、怒るという反応はしなかっただろうから。


ものの見方を世間やお上の基準にしているから、こんなくだらないことが起こったのだ。

やれやれ、下らない人間の、下らない事件だな。


宇宙の136億年の「歴史」の中で、人類の600万年の「歴史」の中で、
何だっていうんだよ。他に考えを巡らすべきことがあるだろうが。
あっ、ないのか。やれやれ。了解しました。


4.同様のことをハチ君も言ってくれている

もしひとりの人間にほんとうに決めたことがあったら、他の人にはどうすることもできはしない。
「私」:「ハチにとっては、そういう生活こそが自然なわけね。」
ハチ:「そう。ここで生まれ育ったらわからないかもしれないけど……日本なんて、日本で当然と思われてることなんて、すごくちっぽけなことだよ。」(p76)


日本には、日本の良さがあるということが、様々な国に住んでみることで良く分かった。

しかし、日本の、否、たかだか現在の日本の道徳的価値観に洗脳されて、
生きるなんて、はっきり言って奴隷だし、つまらない人生だと思う。



5.絵を描くってどういうこと?

もっともありふれたものともっとも通俗的なもので出来ている森があって、その豊かな土のなかのほんの少し奥に、何かみんなが知っているがうまく取り出せないものが、小骨のようにひっかかっているのだ。

それを考古学者みたいにていねいに取り出すのが、絵を描くことだ。にせものがたくさん埋まっている。気分のいいやつ、はやくいい気持ちにさせてくれるやつ。でもそれは他の誰かにまかせて、私は私の見つけた原石を、自分で磨く。私だけの組み合わせたメロディーが流れ出すまで。(p63~p64

社会科学の世界でも、普段なんとなくそうだろうなと感じている事に
的確に言葉を当てるのが大切だと思う。



6.インドの自然と日本の自然の違い
インドは「自然が厳しいところ(p78)」と表現されていて、
日本には「ささやかな日本の自然(p81)」があると書かれている。


海外生活が続く中で、
僕もずっと同じように感じていた。

日本の自然は脆弱で、繊細だと思う。

それに対して、僕が住んでいた所の自然は、トゲがある植物も多く、
土も乾燥していて、人間に対して敵対的(hostile)な感覚がずっとしていた。



7.日本人の感受性

四季があるこの島で、単なる生活を芸術にまで持っていった、アジアのはじっこの日本人だよ。

この、虫の声でさえ泣けてくるような、かすかな心の揺れ。万物に音楽を聴きとる耳。ほんの小さいところをじっと見つめて、そのなかから美の配列や宇宙の秘密や、神の意志まで想像してしまう感受性。かげろうみたいにはかない生命の息吹きが、空気にみずみずしく含まれている。(p81~p82)

今やスペイン人の方が「儚い」という言葉に合っているが、
古代の日本には「もののあはれ」を感じる、今よりもずっと繊細な感受性が、
人々にあったと思う。

今や、電車の中では、人々は死んだ魚の目をしている。



8.イタリア人の芸術愛好家は・・・

その人の何かきらめくものが出ているものを見ると、涙が出てきてしまうそうだった。(p96)




9.内的自由

ミキちゃん:「会社ですごくいじめられるけど、気にしないの。おまじないをとなえるのよ。『私の内側は大丈夫』って。」(p103)


「いじめはいけません」と教える教師自体が職員室で他の教師にいじめを行っているからな。しかも集団で陰湿な。
やれやれ。

とにかく、『私の内側』つまり、「自分の内的自由」は絶対に守るべきだと思う。


10.私の魂を傷つける

怒りで顔が熱くなった。その熱が内臓を焼くような感じだった。

でもそんなこと私の魂を傷つけるだけで何の意味もない。くやしいので私は今まで経験した楽しいことやおかしかったことを思いおこした。いくつかあまりにもおかしいことを思い出して、ついげらげら笑ってしまった。(p119)

嫌な奴に何かされても言われても、そのことを考えないことが、
最良の抵抗方法だと思う。

イライラしたりすれば、自分の思考と感情をそいつに隷属させていることに
なるので、ある意味でそいつの奴隷になっている訳だ。

エピクテトスもこういうことを言っている:
自分の体を他人の思うがままに扱われたら、君は怒るだろう。
じゃあどうして自分の感情を他人に委ねるのを恥じないか?


僕は、自分の体を他人の思うがままに扱われたくないし、
我々のプライバシーの最後の砦である「内的自由」も他人に委ねたくない、
そうなれば、心が奴隷になるからだ。



11.すべてのものごとには、変わる、時と場所があるんだ。

「私」:「何もかもが変わる時期ってあるんだ。」
戻ってそれを告げると、ハチは言った。
ハチ:「すべてのものごとには、変わる、時と場所があるんだ。よかれあしかれ」(p115)




12.日光は・・・

日光は私の涙を乾かし、癒し、抱いてくれた。(p141)




13.Don’t take it for granted.

ハチ:「2人が年を取っても永遠に忘れないでいよう、待ちあわせのわくわくする気持ちを。同じような夜が来るのに決して同じではないことを。2人の若い腕、伸びた背筋、軽い足取りを。触れあうひじの熱さを。」(p148)




14.別れとは?

全く、別れとはなんてやっかいなものなのだろう(p153)




15.世にもすてきなところ

あらゆる雑多なことを、いい悪いなんて言ってられない、起こったことを何もかもごちゃごちゃ含んだ、ひとつの宇宙を創って、いつのまにか大きく大きく流されて、気づいたら世にもすてきなところにいること。(p150)
(p148)


恋人と、あらゆることを経験して乗り越えて、涙を流して、喜んで、
ケンカして、仲直りして・・・その行く着く先が世にもすてきなところ
だったら、いいよなあと思う。

そういう心の境地で過ごせればいいのかもしれない、と思った28の夜でした。

「世にも奇妙な」ところじゃないといいけど(笑)。

3.まとめ


ということで今回は、
ネットビジネス界でYouTubeチャンネル登録者がトップのアシタカが
吉本ばななの『ハチ公の最後の恋人』の感想と名言15選についてお話した。

ではまた。

Sincerely,

Ashitaka

Peace.

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